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【食戟のソーマ】 過去の名作(?)嘘バレまとめ

食戟のソーマの、今まで書いてきた嘘バレの中から反響の大きかったものだけをまとめてみました。
『王の試練』はじめ、一部2chの嘘バレも載せています。
基本的に時系列に沿っているかと思いますが、間違ってたらごめんなさい( ;∀;)


【目次】
1:王の試練
2:香料の騎士(スパイスナイト)
3:さよならETUYA
4:黒歴史
5:監獄
6:容疑者Mの献身
7:犠牲者
8:お仕置き
9:もものM
10:奥の手
11:バトルロワイヤル
12:敗北
13:出自


『王の試練』
総帥を出し抜いたことで気を良くした薊は
えりなの店に引き返して食事を取っていた
うなだれながらも料理を振る舞うえりなや、周囲の客の重苦しい雰囲気も
どこ吹く風で料理やワインを楽しむ薊
明日の朝には王になっているかと思うと喜びを押さえることが出来ず、
ワインの量はどんどん増えていく
次の日の朝、臨時の遠月十傑評議会が開催される
そこで十傑の内の6名の推薦を受けた薊が新総帥に任命される
ーはずだったが、いつまで経っても肝心の薊が現れない
一方その頃、薊はえりなの店の近くで目を覚ましていた
えりなの店は緋沙子の指揮の下撤収作業が始まっていた
薊はワインの飲みすぎで酔い潰れ、作業員に外に放り出されたようだ
時計を確認すると評議会が間もなく終了になる時刻だった
十傑の内の六名分の署名が入った推薦状を持参して評議会に出席しないと
新総帥任命決議の承認が下りないため、冷や汗がどっと吹き出す薊
何としてでも評議会に出席するため、会場に向かって全力で走り出すのだったーー
■王になるための試練ー!!

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『香料の騎士(スパイスナイト)』
叡山「この寮を潰す 遠月には必要ない」
極星寮の廃止に真っ向から反論するふみ緒。
独立採算制を取っている極星寮は遠月の権限は及ばない、アンタらがいくら偉かろうと文句を言われる筋合いはないと主張するも、叡山が4枚一組の書類を取り出す。
それは遠月学園から極星寮への「土地貸与契約書」。
叡山「筋合いはあるんだよババア」
さらに契約書の3枚目、規約には細かい字で「遠月学園の事情により、一方的に貸与を解除できる」の記述が。
何もいえないふみ緒。
「1週間だけやるよ、荷造りが必要だろ」と吐き捨てて帰っていく叡山。
涙目の田所たち。
えりなも自分が極星寮に来たから…と涙目。
「そんなことないよ!」と慰め、引き留めるみんなに謝罪してえりなは屋敷に戻ることに。
一方、薊の新方針は学園内に大きな議論を巻き起こしていた。
受け入れる者、絶対拒否の者、退学覚悟で文句を言いに行こうとする者の姿も…
生徒だけでなく、講師や事務員すら論争に加わって遠月は大混乱に。
そんな中、確固たる決意を胸に総裁室へと向かう一人の男の姿。
潤の涙を思い出し、男は再び憤りを覚える。
「…殺す…殺す…殺す…」
ぶつぶつ言いながら、懐に仕込んだ愛用の包丁を握る浅黒の青年。
刃には愛用のスパイスをたっぷりと塗りこんでいた。
男(悪魔を倒すには…刺激の強い南米産のハラペーニョだ…)
■最愛の女性(ひと)を守るため、動きだす香料の騎士(スパイスナイト)!!

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『さよならETUYA』
叡山「なんだ・・・これは・・・?」
ソーマが餃子に投入したのはラードに漬けこんだスパイスの塊。
学園祭で作り上げた麻婆カレーの応用だった。
高熱のフライパンでラードが溶け、中に仕込んでいたスパイスが強烈な香りを放っていく。
餃子自体の香ばしい匂いに加えて
胡椒餅のタネにも使ったオリジナル中華スパイスの香りが会場全体に広がる。
ヨダレが止まらない竜胆。
審査員たちは必死に平静を装うも、内心味見したくてたまらない様子。
審査員A(なんという香り・・・!!)
審査員B(食欲の本能を刺激される激烈なスパイス!!)
審査員C(匂いだけで涎が止まらぬわっ・・・!)
十傑の本気の調理過程を目の前に、それでもソーマの料理に惹かれる審査員たち。
そしていざ実食。
甲山の食戟の時と同じく 本来なら実食前に採点を行う手筈だったが
ソーマの料理のインパクトに3人ともが八百長を忘れてしまう。
舌打ちする叡山。
至福の表情の3人だが ここで叡山の調理も大詰めに。
作り上げたのはソーマと因縁のある”唐揚げ”。
ソーマが中華風の餃子で攻めてくるのは予想がついたので 叡山も中華風唐揚げ”油淋鶏”をチョイス。
ネギ・生姜・ニンニクの効いた醤油ベースの酢ダレが、地鶏の風味を損なわずに絶妙なハーモニーを演出。
そしていよいよ採点の刻。
学校中が、否、社会に羽ばたいた名だたる遠月の卒業生達に後援会・提携企業など
”美食”に関わるあらゆる者たちがこの一戦に注目していた。
実際、テレビ中継は遠月学園内だけであったが
噂は爆発的に広まり、ネットを通してライブで中継されていたのだ。
日本において美食に関わるあらゆる者たちが画面にくぎ付けとなっていた。
極星寮も一時休戦状態で、田所えりな達は食堂で、叡山の手下たちは外でスマホと睨めっこになっていた。
悩む審査員たち。
内心ではソーマの料理の方が優れていたと認めてしまうも、買収されている手前、叡山に票を入れるしかない。
それに叡山がここで負ければ八百長に関わった自分たちも学園を追放されるのは確実。
審査員が一斉に叡山に票を入れようとしたその時、バンっと厨房のドアが開けられる。
入って来たのは薊。
審査員「・・・総帥・・・!?」
薊は無言で二人の料理を口にする。
と次の瞬間 叡山が退学宣告される。
叡山「は!!!?」
審査員「そ 総帥お待ちをっっっ!」
「叡山ETSUYAの真髄はそのビジネステクニックにあります!!」
審査員「数えること500をゆうに超える顧客を持っております!!!」
薊「それが 何か?」
ゾクッとする審査員たち。
薊「凡百の大衆食なぞ微塵の価値もない」
「美食とは選びぬかれた一握りの地位の者の為にあるのだ」
「まして 八百長でしか勝てぬ者の料理など遠月には必要ない」
固まる叡山。
叡山「なーー・・・..!!!」
まさかの叡山退学が決まる。
■さよならETUYA!!

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『黒歴史』
出張を終え、遠月に戻って来た堂島。
薊の再来、セントラル創設に学園改革、食戟の”見せしめ”…
日に日に狂気を増していく薊政権の報告を聞き続け、ここ3日間一睡もできなかった様子。
自室に戻ると、すぐに秘書が報告へやってくる。
「堂島総料理長!! 大変です!!」
堂島「今度はなんだ!?」
テレビでソーマの勝利を観る堂島。
堂島「食戟…!?」
「相手は十傑の叡山枝津也だと…!? いったいどういうことだ!?」
どうやらソーマの住んでいる寮がらみらしいと話す秘書子。
堂島「極星寮のことか!? いったいどうなってるんだ!」
とそこに誰かの声が響く。
「ほほう、極星寮がなんだって?」
振り返って驚く堂島「じょ、城一郎!!」
「お前まだイタリアじゃなかったのか!?」
城一郎「いやーなんか遠月が面白そうだったからさー」
堂島「面白い訳があるか!! かつてない危機だぞこれは!!」
「それより仕事が残ってたんじゃないのか!?」
城一郎「んーまぁ、何とかなるだろ!」
堂島「お前って奴はホントに…」
城一郎「まーまーそんなことよりよ、」
「薊を攻めるなら”アレ”が必要だろ?」
“アレ”という言葉だけで何かに思い至った様子の堂島。
堂島「フフ、そうだな…」
城一郎「クックック…」
悪魔のような笑みを浮かべる2人。
【総裁室】
しばらく時間が経ち、執務室の薊。
誰かとテレビ電話で会議をしている様子。
しかしどこか上の空の薊は、叡山の処遇について考えあぐねていた。
十傑敗北という世紀のニュースはあっという間に広まり、SNSを通じて学外にもとっくに漏れ出していた。
すでにネットのメディアはいくつもそのニュースを取り上げ始め、
広報室はメディアからの問い合わせでパンク状態になっている。
薊(今日の夕刊に載るのも確実だろうな…まったく…)
セントラルの名を汚した叡山を除名にするのはたやすい。
しかし遠月学園の財政に一定の貢献をしているのも事実。
叡山の持つ調理特許や企業へのコンサルト料は、一定の割合で叡山と学園で収益を分配しているが、
卒業後も一定の額を遠月から叡山に支払う旨の規定があったことを思い出す。
薊(卒業後か…しかし”退学後”の規定まではない…)
ドス黒いオーラを振りまく薊。
とそこで部屋の外に誰かの気配を感じ取る。
「こ、困ります総料理長!! アポのない方は役員の方でも…」
必死に止める秘書の声がドア越しに聞こえて来る。
薊「…?」
バンっとドアを開けて入って来たのは堂島と城一郎。
驚く薊「君たち…!!」
「いったい何の用だね…いま大事な会議中なんだが?」
画面の中の人物たちが薊を呼んでいる「中村総裁…?」「どうかされましたか?」
城一郎「ハハっ、しばらく会わねー内にずいぶん上から目線じゃねーか」
薊「…!!」
城一郎「まーいいけどよ、そんなことを話しに来たんじゃねえんだ」
代わりに堂島が話し始める。
遠月学園での権限こそないが、遠月グループの役員として、そして遠月学園の運営を見守ってきた者としてこの改革は到底受け入れられないこと。
ついては薊に直ちに総裁職の辞職ならびに改革の中止、以前の運営体制への再起を要求すること。
既に遠月グループの役員全員の意思が同一であることを確認していること、
本日中に行動を起こさなければ明日にでも取締役会にて薊の弾劾を決議する意思があることを告げる。
取締役会の名を出されても涼しい顔の薊。
薊「ふふ、話はそれだけかな 堂島くん」
堂島「ああ 取締役会としても遠月学園の暴走を許す訳にはいかないということだ」
薊「君の言う取締役会というのは…彼らのことかな?」
薊が総裁室のパソコンの画面を指差す。
堂島「な…!!」
そこには先ほどまで自分と電話していたはずの役員メンバーたちの姿が。
薊「ちょうどこれからの運営体制について彼らと話あっていたところなんだ」
混乱する堂島「いったいこれはどういう…!!」
薊「そうそう、君の進退についても話が出ていてね」
「全会一致で君の転属が決まったよ 学園の食堂の洗い場がちょうど人手不足だったんだ」
プルプル震え出す堂島。
反論しようにも怒りのあまり声も出ない様子。
そこで城一郎が懐からある”モノ”を取り出す。
それは古く、少し黄ばんだ写真だった。
写っていたのは長い黒髪をたなびかせ、セーラー服にエプロン姿で料理を運ぶウェイトレス。
店の後ろには『第24回遠月祭』ののぼりが。
一見ただの女子高生だが、写真に写るその人物は紛れもなく薊だった。
薊「な…!! なぜそれを!!」
城一郎「やーこんな面白いモン捨てられねーだろ」
長い間十傑の第三席に甘んじていた薊。
料理の腕では決して堂島と城一郎に敵わないことを悟り、学園祭では敢えて料理で勝負せずにネタで勝負することにしたのだ。
そして薊が選択したのが「女装カフェ」だった。
薊の中性的な顔立ちにJKコスプレは抜群の相性で、
薊のカフェは実に堂島の和食店の3倍もの収益を叩き出し、学園祭一の売り上げを記録したのだった。
薊(叡山は何をやってたんだ…!!)
実は叡山の極星寮の襲撃は薊の指示だった。
極星寮に昔の写真があることを知っていた薊は混乱に紛れ、その写真を処分しようと考えていたのだ。
薊(学園の書庫は全て片付けた…あとは極星寮だけだったのに…)
(あと一枚!! この一枚さえなくなれば…!!)
冷や汗ダラダラの薊に城一郎が詰め寄る。
城一郎「”薊ちゃん”が選んでいいぜ」
「この写真をバラまかれるか、さっさとこの学校から去るかをよ」
まさかの大ピンチに言葉を失う薊。
■暴かれた王の黒歴史…!!

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『監獄』
極星寮に案内されたえりな達。
選抜予選の際に一緒に観戦した仲だとして。
ふみ緒は少しの間寮にいる事をえりなに勧める。
極星は独立採算制をとっているため、総帥であっても簡単に介入は出来ない。
その話を聞いて、家出先としてふさわしいと喜ぶアリスと秘書子。
一色は何も言わずにニコニコとその様子を眺めている。
田所もえりなの過去の話を聞いてふみ緒の意見に賛成。
しかし父に囚われたえりなの心は、どうしても薊に逆らう事を躊躇っている。
そこにずぶ濡れのソーマが戻ってくる。
一方薊は、数少ない彼が認めるオーセンティックバーでグラスを傾けていた。
バーの主は海老沢理子。
かつて薊と共に十傑に席を置いた女性であった。
旧友の入れた至高のカクテルを飲みながら、薊はえりなへの再教育に思いを馳せる。
過去の己の教育が、えりなの心を檻へと閉じ込める事に成功していた事に微笑みを浮かべる薊。
王となり、神の舌の教育を行う事は薊にとって至福の時間であった。
思い起こせば起こすほど、自然と酒の量はどんどん増えて行く。
「薊様っ!」
静かに酒を楽しんでいた薊は突如現れた部下を不愉快に思った。
「えりな様が、部屋にいらっしゃいません!」
聞けば、かつての因縁の寮にえりなが入って行く姿を見た者がいるとの報告であった。
それは薊の至福の時間を一瞬で黒く染めた。
十傑第三席と言う立場の元、自らが理想を持って立ち上げた日本刀研究会。
料理と日本刀……芸術として目指すところは同じであると薊は考えた。
その研究会と土地を、料理に関係ないなどという浅薄な考えで奪い取った憎い二人の男の顔が脳裏に蘇る。
今こそ、復讐の時が来たのだ。
囚われたえりなを救い出すと言う大義名分もある。
支払いも忘れて、理子の静止を振り切り バーから矢の様に飛び出す薊。
自室に戻り、すぐさま愛刀をその手に握る。
鈍く輝く刀身は、血を啜る時を今か今かと待ちわびているようだった。
あの忌まわしき寮までは、走れば10分たらずで辿り着くだろう。
薊は愛しき娘を取り戻す為、出陣する。
酒を相当量飲んでいる為か、走ると少し眩暈がするが関係無い。
数分後、青い制服に身を包んだ屈強な男たちに拳銃を突きつけられ
薊は両手を空に掲げ屈辱に震えていた。
何故、王たる自分が、このような連中に貶められねばならないのか。
誰が彼らのこんな活動のために高い税金を払っていると言うのか。
屑だ・芥だ・塵だ―
―こんな連中にこの国の治安を任せる事など出来ない。
サイレンをかき鳴らす下品な車に乗せられながら、
薊は己の王国の治安を守れるのは己だけだと確信を深めるのだった――
■囚われた王! 新たな試練の時――!!!

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『容疑者Mの献身』
楠の料理が完成─。
皿を運ぶ楠の姿を見送る黒木場。
こっそりとポケットに忍ばせたスマホを取り出す。
十数分前に未読LINEが一件、相手は美作だった。
『連絡遅れてスマン
工作は済んでる
振込みはゆうちょ銀行に頼む』
そしてゆうちょの口座番号が記されていた。
ニヤっと笑い、調理の仕上げに入る黒木場。
一方、審査員たちは楠の料理の試食に入っていく。
『サーモンのコンフィ・フラム』
その美しさに見とれる大泉たち審査員だが、すぐに異変に気付く。
生焼けのような臭いに気付く大泉。
大泉「この臭いは…?」
楠「ん?」
早乙女「確かに…」
箸を取り、一切れ口に入れる早乙女。
ぶほっと思わず咳き込んでしまう。
楠「おいおい! 失礼だろう!!」
しかし横で試食していた大泉も箸を置いてしまう。
楠「失礼というのなら…この神聖なる食戟の場に!」
「こんなレベルの低い料理を出す方が失礼にあたらないかね!!」
その言葉にピクっと反応する楠。
楠「レベルの低い料理だと…!?」
大泉の胸倉を掴もうとする楠を慌てて止める黒服たち。
大泉は楠をまっすぐ見据えて言う
大泉「お主試食はしたのか!?」
「ワシの言葉が信じられぬのなら! そのピアスの刺さった舌で確かめてみぃ!!」
楠はぶつぶつ言いながら大泉の皿を手に取る。
メア(うわー…ジジイと間接キス…)
料理を口に入れた楠の顔色が変わる。
楠「な…!!」
大泉「分かったろう、この料理は未完成じゃ!!」
楠はすぐに火入れが不十分であることに気付く。
表面の焼き目こそ綺麗だが、内部はほぼ生の状態であった。
慌ててサラマンダーを確認する楠。
内部を覗くと、熱を放射する信管が8本のうち2本しか刺さっていなかった。
楠「誰がいったいこんな…!!」
とそこでニヤニヤしている黒木場に気付く楠「て…てめェだろ黒木場ァ!!!!!」
包丁を手に黒木場に詰め寄る楠を、ひときわ体格のいい黒服が止めに入る。
サングラスの下で黒服は楠の包丁を舐めまわすように見ていた。
楠「下らねえ小細工なんかしやがって!!」
黒木場「俺がいつ何をしたってんだ?」
「言ってみろ、俺が、いつ、何をしたんだ!」
楠「クソ野郎が!!」
そこで間に割って入る黒服「機械を保管していた部屋は施錠されており、鍵は我々しか持っておりません」
「侵入者はいなかったと思われます」
大泉「部品が足りなかったなどと言い訳は通用せんぞ!!」
楠「何だとジジイ~!!!」
大泉「試合前に道具をチェックするのは料理人として当たり前の仕事! 己の怠慢を対戦相手にぶつけるでない!!」
焦る楠「な…!!」
大泉「そもそもワシら審査員も ほんの少し匂いを嗅いだだけで生焼けだと分かるほどじゃ!!」
「作った本人がそれに気付かないとは何たる失態!!」
「それもお主が悪趣味に振りまいておるオーデコロンの所為ではないのか!?」
メア「オーデコロンて(笑」
楠「クソ…クソ…!!」
何も言い返せない楠。
確かに大泉の言葉も一理あったのだ。
修業の日々を思い出す楠。
楠は何千回とこなしてきた火入れの出来を、最近では一目見ただけで判断できるようになっていた。
逆に見た目さえ整っていれば、その出来を疑わなくなってしまっていた。
今日の食戟も、久しぶりに大観衆の前に出るからと調子に乗って普段は控える香水をつけていた。
ディオールのファーレンハイト。
ウッディな香り、ハイチ産ベチバー、バージニア シダーに重なり合う、はじけるシトラス。
楠の持つ香水コレクションの中でも、一際香りの強い一品だった。
調理人に香水はNG…それはセントラルのみならず、遠月の学生なら1年生ですら知っている常識だった。
とある合宿ではこうした匂いが原因でOBに退学を告げられるケースすらあったという。
楠の行動は、油断という他なかった。
自分自身の腕への過信…それが敗因であった。
腕をだらんと垂らし、打ちひしがれる楠。
審査員たちは2口目を食べようともせず、さっさと黒木場の料理を待ちわびている。
楠(─死のう)
(おれは叡山と違う)
(屈辱の中生き延びるなんて俺自身が許せない)
(潔くこの世から─…)
会場を去ろうとしたその時、黒木場の料理が完成する。
歓声を上げる大泉たち。
もはやクソジジイと悪態をつく元気すら無くなっていた。
とぼとぼと会場を後にする楠に、黒木場が声を掛ける。
黒木場「料理の仕方分からねえんだってな 教えてやるからコレ食ってけよ」
あからさまな挑発に全身の毛が逆立っていく。
しかし、その怒りはすぐに別の感情で消えることになる。
楠(異臭…?)
慌てて振り返る楠。
楠(…間違いない…!)
黒木場の料理からは何とも言えない異臭が漂っていた。
それは独特な調味料といった匂いではなく、明らかに腐臭に近い匂い─
ふと審査員の方をみやると、審査員たちもその臭いに顔をしかめていた。
楠(何が起きている…!?)
楠は意を決し、調理場へ戻っていく。
黒木場「俺の料理食って勉強しなよセンパイ☆」
そんな黒木場の挑発も冷静に受け流し、楠は黒木場の料理の到着を待つ。
先に料理を受け取った大泉は失望の目で黒木場を見ていた。
長年目をかけて来た生徒がある日グレてしまったような、そんな失意がありありと浮かんでいた。
固まる審査員たちに黒木場がイラついていく。
黒木場「どうした、食えよ」
本人だけが何も気づいていないようだった。
そう、黒木場という男は気付いていなかった。
黒木場の調理台には嗅覚を麻痺させる薬品がぶちまけられていたことに。
そしてあの体格のいい黒服のポケットには、異臭を放つ無色透明の調味料が入っていたことに。
黒木場の料理を運んだ黒服が、その調味料を皿に撒いていたことに。
そしてこの黒服の男の”本当の”正体に─…
黒服の正体に初めて気づいたのはタクミだった。
清楚に見える黒い短髪はカツラであり、その下に悪趣味なドレッドヘアが覗いていたのだ。
タクミ(あれは美作…! あんなところで何を…!!)
美作は異臭にうろたえる審査員たちを見て、そして不思議がる黒木場を見て任務の完了を実感していた。
ふと薊に呼び出された時のことを思い出す。
【回想】
総帥室で美作と薊。
薊は戸棚からルイ十三世を取り出すと、バカラのグラスに豪快に注いでいく。
薊「一杯5万円のスコッチだ いい香りがするぞ」
グラスを美作の前に置く薊。
美作「いいんすか♡」
グラスに口をつけた美作、その瞬間パシャっとフラッシュが光る。
そこにはポロライドを構えた薊が。
美作「え…?」
薊「学園内における飲酒行為は退学と規定にある」
美作「いや、今アンタが…え…」
薊「この学園に残りたいのなら私の言うことをよく聞け」
美作「は…?」
固まる美作をよそに、勝手に喋り始める薊。
薊「来週から”残党狩り”と呼ばれる食戟が連日行われる」
「そこに潜入するんだ」
「話がよく…」と答える美作の携帯が鳴る。
黒木場からのLINE。
『来週の食戟のことで頼みたいことがある
 報酬は薙切家からいくらでも出せる
 気付いたら連絡くれ』
【回想終わり】
そう、美作は黒木場の依頼を受けると同時にセントラル側の人間でもあったのだ─。
そして評決の時。
火入れが不十分だった楠に対し、食い物とは思えない異臭を放つ黒木場。
遠月史上最低レベルの食戟だが、結果は明らかだった。
3-0で楠の勝利。
信じられないという表情の楠。
アリスもまた固まっていた。
黒木場は虚ろな表情のまま魂が抜けたかのよう。
ソーマたちも何がなんだかわからないといった様子で、ただただ戸惑いを隠せない。
そんななか、サングラスの奥で、美作だけが笑みを浮かべていた。
D会場、この日の日程が全て終了した─。
■2重スパイだった美作!! 学園に波乱が拡がっていく…!!

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『犠牲者』
大泉「両者には決定的な差がある!!」
早乙女「両者の差…ですか?」
大泉「確かに早乙女君の言う通り、味の面では全くの互角と言っていい」
「しかし料理の美味しさを決める要素とは味だけではない」
楠「その通りさジジイ」
大泉「ジ…!?」
楠「サーマルセンス─冷温覚も重要な感覚の一つ」
「一つの皿の上で異なる二つの感覚を刺激する俺の料理に対し、黒木場の料理は味覚しか考慮されていない」
「それが決定的な差ってことだろ!?」
大泉「いいや、それだけじゃないぞ!」
「視覚─見栄えの美しい料理はそれだけで食欲を刺激する。これは重要な感覚の一つじゃ」
「聴覚─鉄板で焦げるソースの音に、あるいは油でこんがり揚げられる音に人は本能で反応するもんじゃ」
「嗅覚は言わずもがな、風邪を引くと料理の味がしなくなるじゃろう」
「実は嗅覚は”もう一つの味覚”と言われるほど重要な感覚なんじゃ」
「そして今回決定的な差があったのが最後の感覚…触覚じゃ」
黒木場「触覚だとぉ?」
楠「……?」
大泉「早乙女君、触覚を意識してもう一度両者の料理を食べ比べてみなさい」
早乙女「は、はい…」
まずは楠のサーモン・コンフィフラムを口に入れる早乙女。
早乙女「ん…サーモンが滑らかで…それにアイスも滑らかで…」
ごくんと飲みこむ早乙女。
早乙女「うん、普通に美味しいですね」
次に黒木場のクーリビヤックを食べる早乙女。
咀嚼した瞬間、早乙女の表情が変わる。
早乙女「あ…」
ソーマ達「!?」
大泉「分かったろう」
楠「…?」
早乙女「なるほど…マッシュルームやエシャロット等の野菜…それにバターライスと蕎麦の実のカーシャ…」
「様々な食材が混ざったこの感覚はチャーハンやハンバーグに近いですね」
大泉「そこじゃよ」
「黒木場の料理は触感を全く考慮されておらん」
「せっかくの活きのいいサーモンの触感が台無しじゃ」
早乙女「確かに…コンフィフラムの方は脂の乗った滑らかな食感が生かされてるのに対し、黒木場の鮭は風味は強いがパサパサした触感で勿体ないというか…」
黒木場「なんだとォ…!?」
思わぬ批判にキレる黒木場。
楠「どーれ」
黒木場のクーリビヤックを一口食べてみる楠。
楠「はっはっは! なんだこりゃあ、調理実習かよ!」
黒木場「んだとコルァ!!!」
楠の襟首を掴む黒木場。
しかし楠の襟には仕込み剃刀が。
黒木場「ぐあぁっ!!!」
慌てて手を放す黒木場。
ソーマ「!?」
タクミ「まさか…!!」
料理人の命とも言える手指が、仕込まれた幾本もの剃刀でボロボロになってしまう。
黒木場の両の掌からは大量に血が滴り落ちていた。
田所「そんな…!!」
楠「これがセントラルに楯突いた罰さ、黒木場くんよぉ」
「大した腕もない癖に大口叩きやがって」
そう言って黒木場の作った料理を流し台にぶちまけていく。
楠「こんなもん屑だ 芥だ 塵だ」
まさかの楠の暴走に、呆気にとられる一同。
そのせいで、黒木場の動きへの反応が一瞬遅れてしまう。
アリス「リョウくん!!!」
アリスの叫び声で振り向いた楠の身体に、黒木場の肩がぶつかっていく。
同時に、腹部に温かいものを感じる楠。
楠「な…」
黒木場の手に握られていたのは、鮭を捌いた際の包丁だった。
田所「え…え…!?」
騒然となる観客「さ、刺したぞ!!」「け、け、警察を!」「先に救急車だ!!!」
楠「お、お前…」
黒木場の肩を掴むも、すぐに力無く倒れていく楠。
慌てて黒服たちが楠の元へ駆け寄り、止血を試みる。
会場が騒然となる中、ただ1人、黒木場だけが静かに不気味な笑みを浮かべていた。
狂気の貼りついた表情に、思わず大泉らも言葉を失う。
審査員らを睨む黒木場「これで俺の不戦勝だよな…?」
ソーマ「黒木場…」
タクミ「そ、そこまでして…」
■伝統ある”食戟”で遂に犠牲者が…!!
次号予告:舞台を変え、黒木場が少年院の調理場で牙を剥く!!

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『お仕置き』
【総帥執務室】
ドアの前で震えている楠。
ドアノブに手をかけるが、どうしても開けることができないでいる。
楠(もう…こんな関係終わりに…)
「いるのは分かっているぞ」
「早く入りたまえ」
楠「!!」ビクッ
執務室から薊の声が響く。
観念したようにドアを開いた楠。中へ入ると珍しく服を着ている薊の姿が。
楠「何故呼ばれたかは分かっているね?」
楠「は、はい…」
いつものようにズボンを脱いでいく楠。
薊「そっちじゃない!」
楠「え?」
薊「今日の失態の件に決まっているだろう!! 全くセントラルの名を汚してくれて…!!」
「”お仕置き”だ!!」
青ざめる楠。
薊「ズボンを脱ぐんだ」
楠(結局脱ぐんじゃないか…)
思ってはいても、決して口に出す事などできない。
楠の目には、今の薊はまるで鎌を持つ死神のように見えていた。
下着も脱いで、ベッドに四つん這いになる楠。
薊「さて…本日のテーマは何だったかな?」
楠「鮭…です」
薊「なるほどねえ…鮭にちなんだお仕置き…」
「ふむ………」
ただただ震えて薊の次の言葉を待つ楠。
パァっと明るい顔になる薊「そうだ」
楠「!」
薊「鮭といえばこれだろう」
壁の本棚にあった隠しスイッチを押す薊。
すると書棚全体が回転し、何やら瓶の並んだ棚が裏から現れる。
無数に並んだ瓶には大小さまざまな白い線虫のようなものがうごめいている。
みるみる青ざめていく楠「あ……あ………」
その瓶のラベルを確認していく薊。
「初めの方にあるはずだが…あぁ、これだ」
「学名Anisakis pegreffii」
「”アニサキス”、と言った方が分かり易いかな」
瓶を開ける薊「鮭に寄生する回虫の一種でね…」
「とはいっても鮭だけではなく、イルカ・鯨やイカなどにも寄生するけども…」
ピンセットで器用に虫体をつまむ薊。
薊「症状は主に激しい腹痛と嘔吐」
「しかしアニサキスは一般的な食中毒と違ってね、嘔吐しても吐瀉物は胃液のみってことが多いんだ」
「それに下痢も一切認められない、食中毒らしくないだろう」
「何故だか分かるかい?」
取り出した虫体を楠の目の前に見せる薊。
楠「ひっ!!!」
薊「アニサキスの虫体はねぇ、新しい宿主の身体に入ると寄生するために胃壁や腸壁を食い破ろうとするんだ」
楠「あぁあ……あ……」
「総帥……お願いします…」
薊「その激痛たるや凄まじいものだと聞くよ 緊急開腹せざるを得ないこともあるんだとか」
「でも安心していい」
ニヤっと笑い、コートの裏を見せる薊。
そこにはブラックジャックばりにメスや鉗子が並んでいた。
薊「僕は医学の心得もあるからね」
楠「ああぁ……総帥…どうか……」
「どうかそれだけは……」
薊「始めようか」
そういって楠の後ろに回る薊。
楠「あ…あ……あ、あぁぁあああああ!!!!!」
■季節折々の食材に合わせて自在に”お仕置き”をオーダーチョイス!! これぞ美食屋”AZAMI”流!!

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『もものM』
司「幸平創真……セントラルに入らないか?」
ソーマ「……へ」
「俺がセントラルに…?」
■まさかのお誘いにソーマは…!?
司「正直つい最近まで君のことなど眼中になかったんだが…」
「秋の選抜で実力の一端は見せてもらった」
「それに今日の助手(アシスタント)……素晴らしいの一言だよ」
「正直総帥より仕事ができると言っても過言じゃない」
ソーマ「薊先輩のことっすか?」
司「ああ」
「それより幸平、君は他の生徒とは違う」
「我々セントラルのように日本の料理界を率いることのできる人材だ」
「今日君の料理を間近で見て確信したよ」
ソーマ「やー俺はセントラルの方針には反対っすからね」
司「方針? 具体的にどういう点で反対なのか聞かせてくれるかい?」
ソーマ「研究会とか寮を問答無用で潰すってのがまず考えられないっすわー」
「しかも食戟で反対したら取り消すって前提がおかしくないすか?」
司「前提?」
ソーマ「こっちが負けたら廃止、勝ったら存続って…セントラル側は何もリスクがないじゃないすよね」
「セントラルも食戟受けるからには組織の解体ぐらい賭けて下さい、それで対等でしょーよ」
司「なるほど、確かに一理あるな」
ソーマ「それに寮まで潰すっておかしくないすか? 実家から通えないから寮に入ってんすよ?」
「その寮を潰すって俺らにとっては学校やめろって言ってるのと同じことなんすけど」
司「宿泊施設なら学園にもある わざわざ寮に入る必要はないだろう?」
「だいたいこういったセントラルの目の行き届かない施設の存在を認めてしまうこと自体が問題なんだ」
ソーマ「いや、だからそれが問題なんすよ!」
司「?」
ソーマ「何で俺らにそこまで自由な調理を認めないのか理解できないんす」
「今日の授業もそうでしたけど…」
「確かにセントラルの人たちの料理のレベルは高いっすよ。でも与えられた調理をただこなしてくだけじゃ新しい発想は生まれないと思いません?」
司「君達が料理を新しく生み出す必要は無い」
「新たな美食の創造は我々の仕事だからね。君らはただそれを広めてくれればいいんだ」
「凡百の発想では決して辿り着けない美食、それを無償で分け与えられるなんて恵まれてると思わないかい?」
ソーマ「なんつーか…傲慢な考えっすよね それ」
司「そうかな? 才ある者が凡庸な人間を引っ張っていくことは責任であり、義務だと思わないか?」
ソーマ「思わないっすねー」
全く話が噛みあわない2人。
やれやれ…と言った様子で司がため息を吐く。
司「幸平…君はセントラルの不満ばかりを口にするが、他にはない素晴らしい利点もあるんだぞ」
ソーマ「利点…すか?」
司「ああ」
「君も知ってるかもしれないが…薊総帥は少し変わった○癖の持ち主でね」
ソーマ「はぁ…?」
司「そんな顔をするなよ、君も少しぐらいは興味があるだろう?」
ソーマ「ま、まあ人並みには…そうっすね」
司「うむ、健全でいいことだ」
「それより総帥のことだが…彼はなんというか…」
少し口ごもる司。
ソーマ「?」
司「…ドSなんだ」
「それも尋常じゃないぐらいのね」
ソーマ「じ、尋常じゃないって一体…」
司「僕も実際プレイを見たことはないんだが…食○、流血は当たり前らしい」
おえっっと吐きそうになるソーマ。
ソーマ「そんな趣味が…ちょっと理解できないすわ」
「食○て…」
司「僕も理解しかねる所ではある…美食とは全くベクトルが違うからね」
ソーマ「そっすよね…でもそれとセントラルに何の関係があるんすか?」
司「ああ、実は以前から総帥は地下パーティーを繰り返してたみたいでね」
ソーマ「地下パーティー?」
司「ギャラリーの前で公開プレイを行うのさ」
「総帥は特に過激さが売りでね、そっちの世界じゃ割と有名な人だったんだ」
「それが薙切家を追われるきっかけになったんだが…その話は今はいいだろう」
「とにかくそのパーティーに、我々セントラルも参加できることになったのさ」
ソーマ「そうすか」
「ぶっちゃけ俺はあんまり興味ねえっす」
司「そう言うだろうと思ったよ」
「だがこれを見ても同じことが言えるかな?」
胸ポケットから一枚の写真を取りだす司。
そこに映っていたのは、生まれたままの姿で吊るされるアヘ顔の女性だった。
鼻フックと口に突っ込まれたボールのせいでパッ見誰なのかは分からない。
しかし写真の奥に、折りたたまれた遠月の制服を見るソーマ。
ソーマ「あれ…? これって…」
司「気付いたかい」
「十傑第四席、茜ヶ久保ももさ」
ソーマ「合成…すよね?」
司「まさか」
「彼女もそっちの世界じゃ有名なんだ 顔に似合わず過激なものにも果敢に挑戦するタイプのようでね」
「もものMはマゾのM、聞いたことあるだろう?」
ソーマ「いや…」
司「とにかく、茜ケ久保くんの調理(される)風景を生で見るチャンスだぞ! セントラルに入ればこういうオイシイ特典だってあるわけだ」
「どうだ、心が動いて来ただろう」
どもるソーマ「え、いや…あ…」
司「フハハハハ、やはり揺らいでいるじゃないか!」
「よし、ならこうしよう」
「今日はあくまでも体験入学ってことでどうだ? もちろんパーティーの後で、セントラル入りを拒否してくれても構わない」
「とりあえず今日はパーティーを楽しむことだけを考えようじゃないか どうだい?」
ソーマ「ん、それなら…まぁ…」
「別にこれでセントラルに加入って訳じゃないんすよね? 後で断ってもいいんですよね?」
ニコっと笑う司「もちろん! とりあえずセントラルがどんな組織か、体験してもらうだけさ!」
ソーマ「…分かりました」
司「よし!」
「それじゃ事前に予約が要るから、僕と一緒に行こうか」
ソーマ「うす!」
■意図せず、機関(セントラル)に心惹かれるソーマ! 妖艶なる宴がソーマを悪の道へと誘う…!!
次号予告:ももからの突然のベッドのお誘いに、セントラルの加入秒読み!?

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『奥の手』
司との一騎打ちを受けたソーマ。
ソーマ「上等っす…!」
手ぬぐいを外すソーマに笑う司。
司「よし、じゃあこれで決定だね」
えりな&秘書子「!!」
司「審査員は幸平が選んでくれて構わない」
「日時もお題の食材も全部任せるよ」
ソーマ「余裕っすね」
ニコっと笑う司「幸平だって、まさか僕に勝てるなんて思ってないだろ?」
イラっと来るソーマ「その高い鼻…へし折ってやりますよ」
楽しみにしてるよ、と立ち去っていく司。
すぐさまえりながソーマの元に駆け寄っていく。
えりな「幸平くん!!」
「あなた一体何を考えているの!? 司さんと食戟だなんて…!!」
秘書子「幸平、お前なんということを…」
ソーマ「お、薙切に新戸~ひさしぶり!」
秘書子「久しぶりとか挨拶なんてしてる場合か! 相手は第一席だぞ!?」
ソーマ「やーでもあんだけ挑発されたら断れないっしょ」
秘書子「だからっていくらなんでも食戟だなんて…セントラルに入ることになってもいいのか!?」
ソーマ「勝てばいいだけだし大丈夫だって!」
秘書子「お前なあ!!」
そんな秘書子とソーマのやり取りを横で見ているえりな。
えりな(緋沙子…いつの間に幸平くんとこんな…)
【極星寮】
食堂で司との食戟を報告しているソーマ。
衝撃を受ける一同「だ、第一席と食戟ィ!!?」
ソーマ「ああ、まだ日程もお題も何も決まってねーけど」
佐藤「なんでそんなことになったんだよ!!」
ソーマ「いやー食戟しようぜって言われたから、いいよって」
吉野「アホかぁ!!!」
榊「それで…負けたらどうなるの? まさか退学に…?」
ソーマ「いや、セントラルに入れってさ」
一同「!?」
田所「創真くんがセントラルにだなんて…」
ソーマ「だから勝てばいいんだよ!」
怒る吉野「いくらなんでも第一席相手に勝てるか!!」
丸井「なんという無謀な…」
話題は審査員に。
青木「こうなったら審査員に俺たちを指名してだな…」
吉野「それ名案!」
田所「創真くんは…誰にする予定なの?」
ソーマ「うーん…十傑の人たちにお願いしようかと思ってる」
「司先輩が1席だから、2席から4席の人たちかな」
佐藤「ん~なんでセントラルの人間を指名するんだよ! アホか!!」
榊「それ本気で言ってるの…?」
田所「なんで十傑の人たちなんかに…先生たちの方が公平に審査してくれそうじゃない?」
ソーマ「セントラルの人間が審査して、それでも俺が勝った方が面白いだろ?」
呆れる一同(ダメだコイツ…)
一色「2席から4席か…元3席の女木島君は僕と一緒でセントラルに反対してクビになったんだ」
吉野「え!?」
一色「元々の十傑でセントラルに残っているのは1席の司くん、2席の竜胆さん、4席のももさん、5席の斎藤くんに6席の寧々さん、あとは9席の叡山くんだね」
「だが正直セントラルの人間を審査員に指名するのは、僕は反対だ」
「彼らは目的の為には手段を択ばない」
佐藤「そーだそーだ!! セントラルの人間なんか指名するもんじゃねーよ!」
田所「それにしても審査員もお題も決めていいって…すごい余裕だね」
吉野「それ! お題はどーすんのよ!」
ソーマ「んー…”フランス料理”かな」
「司先輩と食戟するきっかけになったのもフランス料理だったし」
佐藤「フランス料理って…お前元々定食屋だろうが!」
そこで黙っていたえりなが口を開く。
えりな「悪いことは言わないから、フランス料理だけはお止めなさい」
一同「?」
えりな「司さんの最も得意とするのがフランス料理なの」
「司さんはミシュランで毎年三ツ星に輝くフランス料理店『ザ・ロシェ』のオーナーシェフを父に持つ」
「司さん自身も遠月に入る前からその才能を認められてたほどよ」
「それに第一席に上り詰める前にFFCC(フランス料理文化センター)から1つ星の認定を貰ってる…」
「学生で星を貰ったのは史上初めてで、先月はフランス政府からコマンドゥールの勲章すら貰ってるの」
「これももちろん史上初めてのことよ」
圧倒される一同「……」
えりな「幸平くん」
「あなたに才能があるのは分かりますけど フランス料理で勝負するのだけはお止めなさい」
ソーマ「やー大丈夫、何とかなるって」
えりな「ちょっと今の聞いてた!? あなたの想像もつかない程の料理人なのよ!?」
ニヤっと笑うソーマ「大丈夫、”奥の手”があるからな」
一同「奥の手……?」
極星寮を出たソーマが向かった先は四宮先輩のお店『Shino’s Tokyo』。
入口には『準備中』の看板が。
店に入るソーマ「こんちわーっす」
そこには掃除中のスタッフと、テーブルに座って新しいレシピを考案中の四宮の姿が。
四宮「幸平 どうしたんだ急に」
ソーマ「やーちょっと四宮センパイにお願いがあってですね~」
四宮「?」
■ソーマの”奥の手”とは…まさか…!?
次号予告:禁断の”替え玉”作戦!! 新旧第一席の対決開戦!!

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『バトルロワイヤル』
【総帥室】
まだワインを飲んでいる薊。
グラスに残ったワインを一気に飲み干していく。
司「注ぎましょうか」
ボトルに手を伸ばした司を制止する薊。
薊「いや、これぐらいにしておくよ」
「進級試験の準備が大詰めなんだ」
司「確か──今年から大幅にシステムを変えるんですよね?」
薊「ああ」
「今までは得意料理を披露し、採点するだけの甘ったるい試験だったそうだが…料理界の将来を担う遠月学園には相応しくないと思ってね」
「優れた料理人に求められるのは小手先の技術だけではない、それを1年生に知らしめるいい機会だろう」
「君達上級生にも協力して貰うことになるがいいかい?」
司「もちろんです 遠月の為ならいくらでも」
フッと満足そうに笑みを浮かべる薊。
薊「君がいてくれて本当に助かってるよ」
薊は自分のデスクに向かう。
薊「──ところで…幸平創真の料理はどうだった? 仮にも“あの”才波先輩の息子の料理、私も味わってみたかったよ」
司「素晴らしかったですよ」
「まだ1年生、技術は荒削りながらも並はずれた調理センスと奇想天外なアイデア…」
「叡山枝津也が敗北するのも納得ですね」
意外そうな表情の薊「君がそこまで賞賛するのは珍しいな」
司「実際素晴らしい料理でしたから これからが楽しみですね」
「それもまあ 進級試験を生き残れたら、の話ですが」
不気味な笑みを浮かべる薊。
司「場所は決まっているんですよね?」
薊「ああ、もう押さえているよ」
「できれば近場で済ませたかったのだが……『より過酷な環境を』という理事会の意見を取り入れて、東北で開催することにしたんだ」
「蓬莱島、という名前を?」
島の地図を広げる薊。
司「いえ」
薊「ひょっこりひょうたん島のモデルになった島だが、今の若い子はやっぱり知らないか」
司「ひょっこりょ…?」
薊「忘れてくれ」
「とにかくこの島なら適度な広さと隔離された交通手段、それに無人という前提条件を満たしてるらしい」
司「『脱走』に対する備えは?」
薊「もちろん万全だ」
「周囲には遠月水産の船を15隻配備させるし、万が一のために私のプライベートヘリ『アパッチ』も待機させる予定だ」
「とはいえ この時期の海水温は平均8℃…万が一逃げ出しても、1時間以内に低体温症でギブアップするだろうね」
司「なるほど それなら心配要らないですね」
「………」
地図を見下ろす司(幸平創真…僕の見込んだ男が生き残れるかどうか…!!)
そして1夜明け、校内は郷土料理研究会と丼物研究会の奮闘のニュースで持ち切りの様子。
そこで校内アナウンスが流れる。
『1年生は5分以内に体育館へ集合、これより進級試験の説明会を行う』
『遅れた者は留年扱いとなるので留意されたし』
『また、教壇に置かれている名札を必ず着用するように』
『繰り返す、1年生は──…』
ソーマ「進級試験?」
田所「そういえば一色先輩が言ってたよ、いくつかのジャンルから好きなものを選んで料理を作らされるんだって」
榊「中村総帥とかも試食するのかなー怖っ」
吉野「なによあんな奴!!」
佐藤「そーだそーだ!! っていうか名札ってなんだよ」
田所「でも急がないと間に合わないよ!」
青木「くそっいつまでたっても振り回しやがって!!」
榊「走るよ!!」
教壇に並べられた名札を取り、廊下を慌てて駆けていく1年生たちの姿。
【体育館】
走って体育館へ雪崩れ込んだ生徒達。
息を切らしたえりなの姿も。
秘書子「はあっ、はあっ……大丈夫、ですか…えりな様……」
えりな「ええ……なんとか……」
秘書子「全く…5分で集合しないと留年だなんて、なんという横暴だ」
とそこで何やら異変に気付くえりな。
えりな「それにしても今日は…なんだか暗いわね」
何故か体育館の窓は全て目張りされており、校舎に続く入口以外は全ての扉が閉じられていた。
秘書子「それに、急に呼び出した割には先生方の姿もありませんね…」
檀上にも、先生方の姿はない様子。
とそこで急に校舎へと続く扉が外側から閉じられていく。
同時に体育館にアナウンスも。
『各クラス毎に整列し、待機する事』
『私語は厳禁、30秒で整列せよ』
『繰り返すが私語は厳禁、見つかった場合は直ちに進級試験は不合格とする』
青木「ったく…何様のつもりだよ」
ボヤく青木を、丸井が静かに注意する。
そして指示通り並んでいく生徒達。
ソーマ「!」
(何だ…この匂い…?)
えりなや葉山にアリスら、実力のある料理人たちが周囲に立ち込める妙な匂いに気付く。
慌てて秘書子の方を見るえりなだが、秘書子はまだ気づいていない様子。
焦るえりな(絶対におかしいわ、この匂い……緋沙子に聞きたいけどもし見つかったら……)
(それにしても、この匂いどこかで……)
目をつぶり、思い出そうとするえりなだがそのまま意識を失ってしまう。
秘書子(えりな様!?)
慌ててかけよる秘書子の回りで、えりなと同様にバタバタと人が倒れていく。
秘書子(これは一体…!?)
周囲を見渡す秘書子だが、同じく意識を失って倒れてしまう。
田所(……なんだか意識が……怖いよ、創真くん……)
そして田所も静かに眠っていく。
次々に倒れていく様子を、別室のモニターで確認している司。
トランシーバーでももに連絡を入れる。
司『OKだ』
『事前の指示通り、クラス毎に分けてコンテナへ』
『収容の際は男女混合で構わないが、女子の所持品チェックは女性スタッフで行うように』
『スマホ、タブレット、その他通信機器は絶対に見逃さないように徹底してくれ』
もも『分かった』
ももの合図で、ガスマスクを付けた楠やメア、それに叡山らセントラルの面々が体育館へ突入していく。
眠っている生徒を持ち上げようとするメア。
メア「おっも……!!」
その横で、熊井が2人まとめて軽々と運んでいく。
メア「さすがだわ…」
「くそっコイツ名札してねぇ…何組だよ」とボヤく楠の姿も。
一方、ソーマの姿を見つける叡山。
ガスマスクの下の表情が一気に曇っていく。
叡山「幸平ぁ…!!」シュコー
運ぼうとしていた黒木場の身体を投げ出し、ソーマの方へ向かっていく叡山。
つまずいた青木を蹴っ飛ばしつつソーマの元へ。
殺気にまみれた恐ろしい表情になっている叡山。
叡山(恥かかせてくれやがって……)
(てめェだけは絶対に許さねェ…!!)
ソーマの股に足を置き、感触を確かめながらゆっくりと踏みつぶしていく叡山。
ぱきゅっ
それでも微動だにしないソーマ。
叡山(例えこの進級試験で”生き抜いても”)
(俺が直々に殺してやる……!!)
叡山は満足そうに持ち場へと戻っていく。
熊井の活躍もあってスムーズにコンテナへ収容されていく生徒達。
そしてコンテナを積んだトラックは一路港へ。
【蓬莱島】
「……ん?」
目を覚ますえりな。
体育館よりずいぶん狭い、ボロボロの建物にいることに気付く。
えりな(いったい…ここは…)
立ち上がろうとするも、まだ足元がおぼつかない様子。
えりな(緋沙子は…)
周囲を見渡し、秘書子の姿を見つけるえりな。
同時に秘書子も起き上がったえりなに気付く。
秘書子「えりな様!!」
涙目で駆け寄る秘書子。
秘書子「よかった~!! えりな様全然起きなくて、私もう心配で心配で…」
涙を流す秘書子の姿に少し安心するえりな。
しかしまだ不安そうに建物を見渡していく。
えりな「いったいここは…?」
秘書子「まだ分かりません…外に出ようにも、施錠されているようで」
出入り口の方には、ドアを乱暴に蹴り飛ばす生徒達の姿が。
「開けろーー!!」「どうなってんだ!!」
とそこに大きなマイクの音が響いていく。
『私語は厳禁という規則をもう忘れたのか』
「!!!」
慌てて音のする方向を見ていく生徒達。
そこにはホーンスピーカーを抱えた薊の姿が。
えりな「お父様…?」
ざわついていた場内が、急速に静まっていく。
薊「分かってくれたようだね」
満足そうに笑う薊。
薊「さて、突然だがこれから進級試験を行う」
「合格者は1人だけ…最後の一人になるまで試験は続く」
丸井「待ってください!! いったいここはどこなんですか!?」
「っていうか合格者が1人って…ちゃんと説明して下さい!!!」
立ち上がった丸井の頭をいきなり撃ち抜く薊。
「!!」
固まる生徒達「な……!!」「キャアアアアア!!!!」「う、撃ったぞ…!!」
俄かに騒然となっていくが、もう一度天井に向けて発砲する薊。
すぐに生徒達は口を閉じていく。
ニコっと不気味に笑う薊「私語は厳禁だ」
「二度は言わせないでくれ」
「あ…あ…」
丸井の隣にいた榊が涙を流しながら固まっている。
吉野は恐怖のあまり失禁している様子。
薊「さて」
「君達には これから殺し合いをしてもらいます」
一同「!!!!」
あまりに突然の成り行きに、戸惑う生徒達。
一方、ソーマは1人部屋の隅で下腹部を押さえ、苦しそうに呻いていた。
■凄惨なる戦いの火蓋が切って落とされる!! 遂に始まる進級試験(バトルロワイヤル)!!

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『敗北』
宗衛が挙げた札は『葉山』
愕然とするハゲたち。
ソーマ「…」
ソースの完成度こそソーマが上回っていたが、全体的な完成度としては葉山が上だったと語る宗衛。
それほどまでに圧倒的な差があった。
宗衛「かつて中村現総帥の作った『神の一皿』を彷彿とさせる料理だった」
葉山「ありがとうございます」
城一郎に貰った包丁を見つめるソーマ。
学園に入ってから作ってきた数々の料理が思い出されていく。
選抜決勝で作った秋刀魚の炊き込みご飯
学園祭の胡椒餅
アリスに勝利したのり弁
えりなを唸らせた特製ふりかけ
何度もチャレンジしたゲテモノ料理
ポロっと涙がこぼれ包丁へ落ちる。
刃を上にしていた包丁が涙を真っ二つに割る。
その様子を見ていた堂島。
堂島(刃身が水滴を弾いている…)
(これは手入れの行き届いた証)
(これも父親(城一郎)譲りか…幸平創真)
(つくづく退学にするには惜しい人材だが…)
(結果は結果…)
久我「…」
(及ばなかったか…)
久我も悔しそうに俯いている
堂島「それでは只今の勝負…2-1で葉山アキラの勝ちとする!!」
茫然とするハゲ達。
ソーマは包丁をしまうと、涙を浮かべたまま片付けを始める
■まさかの退学!! そして天才亡き学園は──…
次号、食戟のソーマ堂々完結!!

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『出自』
【極星寮】
薊の部屋をノックする堂島。
堂島「中村…今から海老沢と試食会に行くんだが…」
「良かったらお前もどうだ?」
だが部屋からは返事がない。
堂島「…場所は銀座吉兆だ」
「あー…もし行けそうだったらいつでも参加できるように言っておくよ」
「それじゃあ」
「………」
気まずそうに部屋を後にする堂島。
薊は部屋の中で電気も点けず、ベッドに座り込んでいた。
ろくに食事も摂っていないのか、頬がやつれている。
薊「才波先輩……」
【食堂】
戻って来た堂島に声をかける海老沢。
海老沢「どうだった?」
堂島「相変わらずだな…休日は一切部屋から出る様子が無い」
「城一郎が去って1か月」
「まさか中村がここまで落ち込むとはな…」
海老沢「講義も全然やる気ないって シャペル先生怒ってたよ」
「このままだと十傑だって外されるかもってさ」
堂島「ふむ……どうしたものか…」
十傑の業務の一環で、遠月OBが新規オープンする店の試食会に出かける堂島。
本来は十傑全員の参加義務があるが、中村は欠席していた。
部屋の中で包丁を眺めている薊。
かつて城一郎に褒められたその一振りは、著名な刀鍛冶『宗近兵衛』に打ってもらった特性の包丁だった。
薊は失望していた。
挫折してしまった城一郎に。
稀代の天才を潰した学園に。
薊「僕が…」
「必ず遠月を変える…!!」
場面変わり、バーラウンジ。
城一郎がソーマに渡米してからの事を語っている。
ソーマ「親父は料理をやめてたってこと?」
城一郎「そうだなぁ…向こう(アメリカ)に行って3年ぐらいは全くだ」
「あちこちブラブラ旅ばっかりしてたな」
「いわゆるヒッピーってやつだ」
ソーマ「ヒッピー…?」
城一郎「お前らぐらいの年になると分からねえよな カカカ」
「あれが俺の青春時代だな」
「フォークソングに反戦デモ、フリーセックス…」
ソーマ「はぁ!?」
「せ、セックスって親父…」
城一郎「そして出来たのがお前だ」
ソーマ「!!」
■いま明らかになる創真の出自…!!

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今後も反響の大きいものがあれば更新予定です。

コメント

  1. 20.

    萬田チョン五郎の話誰かコメ欄に載せてください。

  2. 19.

    くっそ面白い

  3. 18.

    そうだ萬田チョン五郎の話がない
    誰か載せて

  4. 17.

    そうだ萬田チョン五郎の話がない

  5. 16.

    萬田ちょんごろうがない。あれだけは笑った。

  6. 15.

    怒りのデスロードがないな
    食戟のソーマ 147話 「怒りのデスロード」
    ソーマの手羽先餃子を食べる手が止まらない審査員二人。
    食べないと言っていた審査員もついに手を出す。
    はだける審査員「上手すぎる・・・!!」
    叡山(クソ!奴の餃子のほうが明らかに上だ。この流れはマズイ!)あせる叡山。
    ソーマ「皆さん満足してるように見えますけど?
    あ、ちなみにTVで中継されてるんで、皆、アンタらの反応は見てますよ。
    もちろんお偉いさん達も。」自信満々に言うソーマ。
    うつむく審査員達(この判定はこれからのキャリアに大きく影響してしまう…。
    叡山殿には悪いが、幸平に投票するしか…。)
    叡山(クソ!何か考えろ!!この状況を打破する手を!!)
    アナウンサー「では、投票をお願いします。」
    叡山(そうだ!! あの手があったじゃねえか!!)ひらめく叡山。
    叡山「ちょっと待ってくれや!俺の隠し味がまだだぜ!
    俺の海南鶏飯はまだ終わってねえ!!」
    そう言い、荷物の中から何か持ち出し、海南鶏飯にふりかけていく。
    審査員「叡山殿、これは?」
    叡山「いいから食べてくれ。」
    食べる審査員「? 特に変わったところはないが…。 うっ!?」
    胸を押さえて倒れる審査員達。
    ソーマ「何をしたんすか?」
    叡山「あ?殺したんだよ。高濃度のニコチンでな。なんか文句あんのか?
    審査員が死んじまったし、食戟は中止だな。帰っていいぜ幸平、
    取り壊しの件は保留にしといてやるからよ。」
    ソーマ「アンタ、こんなことして許されると思ってんのか?竜胆先輩、早く110番を!」
    叡山「人が好意で食戟中止してやったのに、なんだその態度は。許さねえ!」
    ガスバーナーと油を持ち「くらえや!」とソーマ達に火炎放射をお見舞いする叡山。
    「あああああああああああ」焼け焦げるソーマ達。
    叡山「ハァハァ、もう食戟もこの学園もおしめえだ!!」
    調理場を飛び出し、学園内の生徒を次々燃やしていく叡山。
    叡山「デスロードで散ってやる!!」
    煽り「叡山枝津也を称えよ!!」

  7. 14.

    本バレより嘘バレのほうが面白い

  8. 13.

    さよならETUYAは何度見ても草

  9. 12.

    第一席相手に一歩も引かないソーマの”秘策”とは…?
    えりな「幸平くん…どうしてあんなに余裕なの…!?」
    秘書子「何か奥の手でも…用意してるんでしょうか…?」
    ソーマ「よし」
    肉のカットを終えるソーマ。
    それを高速熟成器に入れ、自身は教室を後にしていく。
    司「─どこへ…?」
    ソーマ「食材の調達っす、別にいーすよね?」
    司「まぁ構わない、けど…奥の冷蔵庫にも食材はいろいろあるよ?」
    ソーマ「それじゃ足りないんす──」
    「─先輩を倒すには」
    その言葉に、ふっと不敵な笑みを浮かべる司。
    司「なるほどね、幸平の好きなようにすればいいさ」
    ソーマ「あざっす」
    ソーマは調理室を出ると、すぐさま誰かに電話をかけていく。
    一方ヒソヒソ話しているえりなと秘書子。
    秘書子「冷蔵庫にない食材って…なんでしょうね?」
    えりな「さあ…この調理室はフレンチ料理用のもので、通常のフレンチに使う食材も目ぼしいものは揃えているはずだけれど…」
    「イヤな予感がするわね……」
    秋の選抜決勝、ソーマが1人だけもっさりサンマを取り出した時のことを思い出すえりな。
    司は順調に調理を仕上げていく。
    司(もうすぐ完成だけど、遅いな幸平…)
    (もう少しソースに手を加えるか)
    クランベリーを洗い、砂糖とともに煮詰めていく司。
    とそこにやっとソーマが戻って来る。
    何やら大きな袋を抱えているソーマ。
    ソーマ「遅くなりました~」
    驚く司「え…」
    えりな「あれって…」
    秘書子「まさか」
    司「牛肉!?」
    ソーマ「うす!」
    ドンっと大きな袋を調理台に置くソーマ。
    ソーマ「少しでいいって言ったんすけどね…やたら持ってけ持ってけって言うもんだから」
    背景には『第一席と勝負ゥ!? なら最高の肉持ってけ!!』と怒鳴る肉魅の姿が。
    ソーマ「A5ランク黒毛和牛っす、こんだけの塊(?????)は俺も初めて見ますけど」
    司「この霜降りの量…部位はカルビか」
    (鹿肉に比べ、牛肉は香りの強さが段違いだ…それに肉自体の持つうま味成分も鹿肉とは比較にならない…)
    (とはいえ、その味の良さ?香りの強さは諸刃の剣。下手をすれば鹿肉の味を打ち消してしまうことだってある──)
    (─どう調理する、幸平…!)
    そこでソーマが準備し始めたのは七輪。
    驚くえりな(フレンチに七輪だなんて…聞いたことないわ!)
    秘書子(いったいどんな料理を…!?)
    司もソーマの方が気になるのか、チラチラと横目で見ている様子。
    さらにソーマは木炭をセット、着火剤で火をつけると切り分けたカルビを豪快に焼いていく。
    司(あの霜降りの筋目…間違いない、神戸牛だ…! それもあまり年齢のいってない仔牛…末端価格は2億を超えるだろう…!!)
    えりな(そこらの肉屋では出回らない代物ね…味も香りも一級品、お肉の宝石と呼ばれるだけあるわ)
    秘書子(しかしただ網焼きにしただけでこの香りのインパクト…! これほど強烈な個性を鹿肉とどうマッチさせる気だ幸平!)
    調理台に置かれたままの鹿肉に気付く司「幸平…あの肉はどうする気だ?」
    ソーマ「あれはもういいっす」
    ソーマの言葉を疑う一同。
    司「え?」
    ソーマ「おれはこっちの肉でいきます、鹿って正直キライなんすよ」
    戸惑う司「え、いや…お題は鹿肉ってさっき決めたよね…?」
    ソーマ「お題は鹿肉って言ったのは先輩でしょ? おれのお題は牛肉、さっき決めたんす」
    司「えええ? いや勝負になってないよねそれ…だいたい、さっきから七輪で焼いてるけどそれ完全に和風じゃないか」
    「フレンチって言ったのは君だろ幸平」
    ソーマ「使ってる道具は和式ですけど、料理はフレンチっすよ」
    「牛肉のグリエ(炭焼き)っす」
    司「はぁあ!?」
    「じゃ、じゃあ君は鹿料理と牛料理で…どっちが美味いか勝負しようと言うのか!?」
    ソーマ「うす!」
    えりな(あの男…何を考えているのかしら…!?)
    司(ふざけてる…鹿肉をどう調理したところで、牛の旨みに勝てるわけがないじゃないか…!!)
    しかし第一席のプライドからか、持てる技術の全てを注いで残りの調理を進めていく司。
    司(ここで引く訳にはいかない…!! なんとしても…!!)
    エシャロットやセロリ、タマネギなど数種類の香味野菜と赤ワインを煮詰めた特製のデミグラスソースを盛り付けると、さらに先ほど用意していたクランベリーのソースを皿に盛り付けていく。
    秘書子(濃厚なデミグラスソースにクランベリーのアクセント…)
    (鹿肉の持つ臭みを完全に打ち消しつつ、豊富に含まれるイノシン酸の旨みを最大限引き出す調理法! これが…これが第一席の料理…!!)
    またしても香りだけでおはだけしていく秘書子。
    一方、ソーマはあくびをしながらうちわをはたいていた。
    テーブルの上には塩と胡椒の瓶が一つずつ置かれている。
    ソーマ「やー美味そうだなー」
    ■禁断の手に打って出たソーマ!! 第一席の技術は素材の壁を打ち破ることができるのか…!?

  10. 11.

    堂々と嘘バレって言っててワロタ

  11. 10.

    スパイシーロード?スパイスロボット?
    あれも突き抜けてた

  12. 9.

    ちゃんこの話も好きだった

  13. 8.

    確かにあの地下施設の話は結構良かったw

  14. 7.

    寮の地下は初耳

  15. 6.

    寮の地下でジジイ達が穴掘ってる話とかもすき

  16. 5.

    時価2億ワロタ

  17. 4.

    司との鹿肉対決に、ソーマが時価2億の牛肉で勝負する話が好きだった

  18. 3.

    キモ過ぎワロタ
    SS作者の挨拶コピペ思い出したわ

  19. 2.

    シンプルな王の試練が良い

  20. 1.

    管理人さんも暇だなあ(笑)
    おれもだけど(笑)